「The World as Instrument」

東京芸術大学2011年度、公開講座

フランシスコ・ロペス ワークショップ「The World as Instrument」

2011年9月5日から9日までの5日間にわたり、東京芸術大学公開講座としてサウンド・アーティスト、実験音楽家のフランシスコ・ロペスが主催するワークショップ「The World as Instrument(楽器としての世界)」を開催します。環境音を録音して鑑賞する、または音楽や美術制作に素材として使用する、「フィールド・レコーディング」の理論を学ぶワークショップです。この手法は写真のようにごく手軽に始められますが、その先に奥深い技術・知識・思想が広がっています。

ロペスがすでに世界各国で開催してきたこのワークショップでは、膨大な音のサンプルとディスカッションを通じて、参加者をフィールド・レコーディングの世界に招待します。また締めくくりには暗闇のライブ・パフォーマンスでこの世界の深部を体験させてくれるでしょう。

ワークショップは上野の芸大キャンパスにて、9月5日(月)から9日(金)までの5日間(45時間)、参加費24,000円、定員は30人です。ライブ・パフォーマンスは9月10日(土)芸大北千住キャンパスで行ないます。ワークショップに参加された方はライブ・パフォーマンスにも招待いたします。ライブのみの参加も可能です。

ワークショップの詳細、お申し込みはこちらから。

東京芸術大学公開講座:http://www.geidai.ac.jp/guide/extension/index.html

[追記(8/1):8月5日まで募集を延長しております。]

ライブ・パフォーマンスの詳細は後ほど告知します。

スペイン出身のフランシスコ・ロペスは現在のサウンド・アート、実験音楽を先導する作家のひとりです。90年代にはほぼ無音の、しかしオーディオの音量を極端にあげるとごく微細なノイズが聴こえてくるという、ミステリアスなCD群が話題になりました。また彼のライブ・パフォーマンスは観客に目かくしを配り、視覚をうばった上で、会場をとりまくスピーカーから極小音〜爆音を流すという、こちらも衝撃的なものでした。

彼は音の過激さだけでなく精力的な活動でも知られています。サイトに記載されている2010年までの記録によると、1980年以降、すでに250近い作品を世界中のレーベルから発表し ています。また各国でライブ、サウンド・インスタレーション、プロジェクト、ワークショップを手がけ、エッセイを発表し、さらに昨年からはサウンド・アー トと実験音楽のためのサウンド・アーカイブSONM(http://www.sonm.es/)の運営も手がけています。

以下はロペスによる「The World as Instrument」紹介文の日本語訳です。

「音づくりのために楽器ではなく「現実世界」から生まれた音が素材に使われるようになってきた。録音技術の進化の結果ではあるが、もっと大切なのが録音には音の可能性をひろげていく力があるという発想の方だ。生の音、加工された音、現実の音、仮想の音、すべてをふくむ音の可能性を。さまざまな種類の録音技術が社会にひろまっていく途中にはいくつかの段階があった。(19世紀半ばから現在にいたるまでの発言にこめられた)録音に何ができるのかという認識の移りかわりにも段階がある。それぞれの段階が音づくりの発想に強い衝撃をあたえていった。この衝撃の下、「現実世界」の音の探求がしだいに知られるようになってきた。今日では世界中の多くの人がそれに参加している。

このワークショップは理論に重きをおき、音づくりのための音源として、もしくはインスピレーションの源として「現実世界」を選んださまざまな実践を取りあげる。そうした実践の(技術よりもむしろ)歴史、社会とのかかわり、思想に注目する。自然が音楽を生みだしたというかつての表現から、世界中の音をくまなく探索する現在の実践まで。楽譜からデジタル・テクノロジーまで。音の現実を記録し、創造的につくりかえていく試みの歴史をふりかえる。このワークショップではクラシックから電子音楽まで数々の音のサンプルを使い、活発な議論を行いたい。そして、生物音響学から実験音楽、蓄音機からハードディスク・レコーダー、鳥の声から宇宙の電波放射にいたるまでいくつもの領域や研究にかかわる、録音に対する偏見や誤解をまねく認識に挑戦していこう。

このワークショップの締めくくりは暗くした会場で全身を音に浸すライブ・パフォーマンスだ。マルチチャンネル・サラウンド・サウンドシステムを使い、観客は目かくしを装着する。この経験は普通のコンサートというより、音のなかを旅するようなものだ。音源には私が10年以上にわたって録音した、コスタ リカの熱帯雨林、ニューヨークの巨大なビル、パタゴニアの広大な大地の環境音が使われる。この録音は私の「アメリカ三部作」だ。」

Francisco López Official Site: http://www.franciscolopez.net/

SHIFT日本語版 フランシスコ・ロペス インタビュー:http://www.shift.jp.org/ja/archives/2008/04/francisco_lopez.html

金子が虹釜太郎さんと開催しているイベント「Ambient Research」第2回でもロペスの作品を取りあげました。配布した冊子には彼のエッセイ「Environmental Sound Matter」の日本語訳が掲載されています。詳細は金子のブログ(http://d.hatena.ne.jp/tomotarokaneko/)で。ロペスのフェイバリット10作品についてはこちら(http://d.hatena.ne.jp/tomotarokaneko/20100515/1273523245)。

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  1. ピンバック: The World as Instrument : circumstance evidence

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